2010年03月19日

あるキング

 あるキング

 伊坂さんの「人間に対する視線」が結実するとこんな作品になるのかなという感じです。

 読後感としては,何ともいえないうなり声が喉から出てきちゃう感じ。

 主人公「王求」の周囲で様々な出来事が展開し,王求は,それに直接,間接的に関わっていきます。

 でも,台風の目が無風であるように,王求自身はぶれません。

 この話は感情移入とかそういうタイプの話ではなく,ある英雄譚を聞くような形で読むものかもしれません。
 
 3人の黒服の女性たちは北欧神話の運命の三女神がベースにあるのだと思います。

 運命を編み,紡ぎ,断ち切る,その女神が動向を見守り,運命を重厚にするために試練を与える下僕がいて,

守護するものがいる。

 「王」の描き方として面白い手法でした。

 ちなみに,わたしは題名をみて,歩く+キング=あるキングだと思っていて,

序盤でこれは荻原浩さんのユーモア小説みたいな感じかと勘違いしてました。


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Posted by ぶらんか at 12:36│Comments(0)読書
 
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